川和歯科 木村 謙吾 院長 (KENGO KIMURA)
大学卒業後、大学病院の補綴科に入局。1983年に『川和歯科』を開院(横浜市営地下鉄グリーンライン「川和町駅」より徒歩7分)。都筑区歯科医師会の前会長としても地域の歯科医療に力を尽くしてきた。
「患者さんを待たせない」──幼い頃の体験が育んだ歯科医師としての原点
私の子ども時代は歯医者さんの数が非常に少なく、歯のことで本当に苦労をしたものなのです。夏休み、朝6時に診療所に行って番号をとり、また予約の時間に診療所を訪れ、そこでも2、3時間待たされる。そうした、いらぬ苦労は頭に残るものでして(苦笑)、その印象と、自分なりに手先が器用だと思っていたことからこの道を目指そうと考えたわけです。その反動でしょうか、当院では余裕を持って時間をおとりすることで、患者さんが待合室で待つことのないよう配慮しています。患者さんの気持ちを考えてもそうなのですが、なにより、私自身が人を待たせるのがイヤだからなんですね(笑)。
大学を卒業後、補綴科に入局しました。あの時代、手先の器用さは補綴科でこそ存分に発揮出来るものと考えていました。入れ歯作りそのものも私のような人間にとっては非常に楽しいことでしたし、何より患者さんの口元にそれが入ったときは劇的に状況が変わるものですから。その瞬間の患者さんの喜ぶ顔が見たくて今に続いているようなものです。

『川和歯科』は、1983年に開院致しました。ニュータウンと言われる都筑区の中で、ここは比較的平均年齢の高い地域であると言えます。私が得意とする補綴の技術は、ご高齢の方にこそ必要とされるものであり、開院を考えた際、この場所を選んだということなのです。
痛みへの不安を和らげ、安心して通い続けられる歯科医院を目指して
開院当初からいらしている方、そして、その方々のお子さんであったり孫であったりという形で、代々、家族ぐるみでいらっしゃってくれています。
さて、大半の人が「出来れば歯医者には行きたくない」とお思いなのではないでしょうか。その理由は、「痛い」から。であれば、出来る限りその痛みを感じることのないよう、過分な心配を掛けることのないようにするのが歯科医師の務めだと思っています。
「痛い」のが怖くて、ぎりぎりの状態になって駆け込んで来ても、痛みのない治療は望むべくもありません。そうなりますと、応急的な処置を終えるとまた足が遠のいてしまう。結果、状態は悪くなるばかりで、やがては抜歯という事態をもたらす。歯の悪循環とも呼ぶべきものです。
これを避けるために、なるべく痛みを伴わない治療を心掛けること。定期的に通っていただく習慣を付けていただくためにも、それが最も大事な要素ではないでしょうか。
「噛める」だけでは終わらない、一人ひとりの気持ちに寄り添う入れ歯づくり
「よく噛めること」が大前提となるわけですが、患者さんの満足はその先にあると私は考えています。例えばそれは、「歯の見え方」です。理論的に、笑顔になった際、唇から歯がのぞくぐらいがきれいに見えると言われています。アメリカの女優さんなんてみんながそうですよね。ところが、日本人、殊に70歳以上のおばあちゃん達にとってみれば、それを「品のないもの」と感じるようなのです。「歯を見せない」という文化がこの国にはあるということですね。

教科書通りに入れ歯を作っていくのではなく、個人の嗜好を斟酌しながら作り上げていく。おばあちゃん達は奥ゆかしいですから、表立ってそれを褒めてはくださいませんよ。でも、その笑顔を見れば答えは一目瞭然です。「ただ噛めれば良い」のではなく、その先の満足を手掛けていきたいと思っています。
通い慣れた歯科医院だからこそできる、地域に寄り添う訪問診療
当院では訪問歯科診療の制度が整う以前から、通院が難しくなった患者さんのご自宅へ伺い、診療を続けてきました。この地域はご高齢の方が多いこともあり、「足腰が弱って通えなくなった」「家まで来てほしい」といったご相談は昔から少なくなかったのです。当時は現在のような訪問診療の保険制度もありませんでしたが、歯を抜いたり、入れ歯を作ったりと、必要な治療を行ってきました。気がつけば40年以上、地域の患者さんの暮らしに寄り添いながら続けてきたことになります。
現在は訪問歯科を専門に行う歯科医院も増えていますが、私は、これまで長く診てきた患者さんであれば、できる限り自分が伺いたいという思いがあります。その方のお口の状態だけでなく、これまでの治療の経過や生活背景、ご家族のことまで理解しているからこそ、小さな変化にも気づくことができます。患者さんにとっても、「いつもの先生が来てくれる」という安心感は大きいのではないでしょうか。
地域のかかりつけ歯科医院として、通えなくなったからといって患者さんとのつながりを途切れさせたくないという気持ちを大切にしています。
地域のみなさんへメッセージ
とにもかくにも、定期的な検診を受けていただきたいのです。いまだ多くの人が、問題が何もない状態が当たり前で、それが永遠に続くと認識されているところがありますが、現実はそうではありません。1度治療を終えた歯は、少しずつ少しずつ再発するリスクが高まっていきます。検診により、ご自分ではそうとわからない徴候を見つけ、少しの治療でそのリスクをまた平らかなものにすることが大切なのです。
定期的にチェックを受け、そこでの“何もない”のは非常に良いこと。それを是非習慣として続けていっていただきたいですね。
※上記記事は2026年6月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

川和歯科 木村 謙吾 院長 (KENGO KIMURA)
川和歯科 木村 謙吾 院長 (KENGO KIMURA)
- 出身地:神奈川県
- 趣味・特技:スポーツクラブで汗を流す
- 好きな音楽:洋楽全般
- 好きな場所:温泉地
- 座右の銘:「一期一会」

