成瀬 龍一 院長(きりが丘歯科クリニック)のインタビュー

きりが丘歯科クリニック 成瀬 龍一 院長

きりが丘歯科クリニック 成瀬 龍一 院長 (RYUICHI NARUSE)

『鶴見大学歯学部』卒業後に研修1年、一般歯科2年勤務後、2010年『きりが丘歯科クリニック』を開院し今に至る。(JR横浜線 十日市場駅 バス 中丸入り口 徒歩1分)

この地で生まれ、この地で開業する意味

私は『鶴見大学歯学部』で学びました。卒業後は戸塚の『金子歯科クリニック』、平塚の『みんなの歯科クリニック』で経験を積み、34歳の頃にこの霧が丘で開業しました。この地は元々地元で、母が眼科医である事もあり、医療が身近にある環境で育った私にとって、この地での開業は必然であったと思います。母が患者様一人ひとりと真剣に向き合う姿、そして患者様から深く信頼される姿を間近で見てきたことが、私自身の医療に対する姿勢の土台になっています。今の医院は、近所の方に勧められたのがきっかけでしたが、この広い空間こそが理想の診療環境を作る鍵になりました。ベビーカーで家族全員が入れるゆったりとしたスペース。子供が泣いても、姿は見えないけれど声は聞こえるという距離感で、周囲に気兼ねなく過ごせる設計にしました。バリアフリーのため車椅子の方もそのまま診療室に入っていただけます。「自分がされて嫌なことはしない」。これは患者様に対してもスタッフに対しても共通した私の考えです。広い空間を活かして、誰もがリラックスできる環境を整えることができたと思っています。この土地で育ち、今も暮らしている私だからこそ見られる光景があります。子供の頃から診ていた子が親になり、今度はその子供を連れてきてくれる。三世代で通ってくださるご家族もいらっしゃいます。世代を超えた繋がりを目の当たりにできるのは、医療人としても人としても本当に嬉しいことです。地域の皆さんの人生の節目に寄り添える存在でありたいと思っています。

自身の得意を活かした地域貢献の形

「手先が器用だから歯科医師に向いているんじゃない?」母のその一言が、私の今を形作っています。実際、医療への道へは小さい頃から両親より刷り込まれたようなものでしたが、その中でも歯科医師という選択をしたのは、この母の助言があったからです。子供の頃からプラモデルやタミヤのラジコンが大好きでした。組み立てるだけでなく、壊れたら自分で修理して、また走らせる。その繰り返しが楽しくてしょうがなかったんです。今だに当時のラジコンを修理して遊んでいます。母は、そんな私の姿を長年見ていて「向いている」と言ってくれたのでしょう。実際に大学で学び始めて気づいたのは、歯科医療におけるマテリアル、つまり材料の奥深さと多様性です。歯科治療で使う材料は本当に種類が多く、それぞれに特性や用途が異なります。新しい材料が出ると、この材料はどんな特性があるのか、どんな症例に適しているのか、他の材料とどう違うのか。そうしたことを調べ、作用の違いを覚えていく作業が、私にとっては苦にならないどころか、純粋に楽しかったんです。そんな時間が、「この道は間違いなく自分に向いている」という確信に変わっていきました。

 

「分かりやすい職場」が生む、長く働ける環境

診療において大切にしているのは、私の周りにいた素晴らしい先生たちの姿勢を受け継ぐことです。母や祖父、妹夫婦といった医療に携わる人、公文の先生だった親戚、学校の先生など、一つの道を極めた人たちの背中を見て育ちました。彼らは皆、自分の仕事に誇りを持ち、真摯に取り組んでいました。だから私自身は迷う必要がなかった。彼らのように、誠実に取り組んでいけばいいと考えています。医院は基本的に保険診療中心です。保険診療というのは、決められた手順やルールがあります。それを一つひとつ丁寧に、しっかりと行う。当たり前のことを当たり前にやる。それが私のスタイルです。そして歯科医院は女性が働く場所です。歯科衛生士も受付スタッフも、ほとんどが女性。だからこそ、女性の職場としてしっかり成り立つよう配慮することが、院長としての責務だと考えています。具体的な取り組みとして、会食などの行事は一切ありません。仕事とプライベートは明確に分ける。休日もきちんと決めています。そして給与体系も「何年経てばいくらになるか」を面接の時に明示しています。女性は、結婚や出産といったプライベートで大きな決断を迫られることが時期です。そんなとき、仕事のことで迷わせたくない。産休制度も含め、将来設計を安心して描けるようにしたいと思っています。仕事で悩む必要がないよう、できる限り明確に提示する。すると、自分の人生の選択肢を選びやすくなります。結婚するのか、子供を持つのか、キャリアをどう築くのか。そうした大切な選択を、仕事の不安に邪魔されずに考えられる環境を作りたいのです。結果として、ここ10年は寿退社以外はほとんどありません。今いるスタッフも最低5から6年、長い人は10年以上勤めてくれています。スタッフが言うのは「働きやすい」ではなく「分かりやすい」という言葉です。将来が見通せる、予測できる。それが安心に繋がっているのだと思います。

1/5が外国の方という、多様性ある地域で

霧が丘、若葉台、長津田みなみ台の境目に位置するこの地域は、実に多様です。長く住まれている住民とその2世の方々、そして最近では新しく越してきた若い世代も増えています。時代とともに街も変化し、新しい家族が根付いていく様子を見るのは嬉しいことです。そして特徴的なのが、近くにインド系インターナショナルスクールがあることです。そのため、多くの外国の方が在住しています。インドの方だけでなく、様々な国籍の方がいらっしゃいます。当初は戸惑うこともありましたが、今では英語での対応も長年の経験からパターンが見えてきました。宗教上の配慮も大切です。例えばアルコールを含む消毒薬の使用可否、治療で使う材料の成分など、事前に確認することもあります。文化や信仰の違いを理解し、尊重する。それが多様性のある地域で医療を提供する上で欠かせないことだと学びました。

予防中心の未来へ、「一生治療しない」という目標

今後の方向性として、かかりつけ医として最後まで責任を持って診たいと思っています。もし患者様が高齢になり通院が難しくなっても、訪問診療を行っている先生に申し送りをしてバトンタッチするなど、最後まで一人ひとりに寄り添いたい。一度携わった患者様は、最後まで見守りたいのです。そして私が本当に目指しているのは、治療が終わった後、予防やメンテナンスに移行して「一生治療しない」状態を作ることです。人と物では比べる事はできませんが、例えば車もメンテナンスをすれば長く乗れます。定期的にオイルを交換し、タイヤをチェックし、消耗品を交換する。そうすれば10年、20年と乗り続けられる。人間の歯も気持ちとしては同じです。定期的なメンテナンスで、一生自分の歯で食べられる。それを実現したいのです。

最近、そのために新しく導入したのが、EMS社の「エアフロー」というメンテナンス機器です。これは超音波の振動を与えず、パウダーと水のジェット噴射でソフトに汚れを取る機械です。従来のクリーニングは歯に振動を与えるため、知覚過敏の方には辛いこともありました。しかしエアフローなら、痛みや不快感を最小限に抑えながら、しっかりと汚れを除去できます。もちろんこれは治療が終わっている方に効果的なものです。理想は、歯科衛生士がこのエアフローでクリーニングを行い、私はそれを見守る。チェックはするけれど、治療の必要がない。そんな「治療の必要がないサイクル」を作ることが、私の目標です。

この地域には、地元出身の二人の歯科医師が歯科医院を営んでいます。開業の際に地元に戻ってきた私たち。歯科医としての使命を持って、頑張っております。気になることがあれば、いつでも気軽にお立ち寄りください。私が頑張れる限り、この地域のために尽力します。世代を超えて、皆様の健康を守り続けていきたいと思っています。


※上記記事は2026年1月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。




きりが丘歯科クリニック 成瀬 龍一 院長 (RYUICHI NARUSE)

きりが丘歯科クリニック 成瀬 龍一 院長 (RYUICHI NARUSE)

  • 出身地:神奈川県横浜市
  • 趣味:アルペンスキー、サーフィン
  • 好きな場所:景勝地
  • 好きな音楽:90年代HIPHOP
  • 好きな映画:『ロボコップ』、『アベンジャーズ』
  • 好きな本:ジェリーロペス(サーファー)、伝記の本
  • 好きな言葉:『七転び八起き』

INFORMATION

きりが丘歯科クリニック

電話 045-923-0018
所在地霧が丘3‐2-10 北辰ビル 1F
最寄駅十日市場駅 約1.8km、長津田駅 約2.1km、すずかけ台駅 約2.4km
診療時間[月・火・木・金・土]9:30~12:30 14:30~19:30
休診日水曜・日曜・祝日
診療科目 歯科 矯正歯科 小児歯科