佐藤歯科医院 佐藤 信二 院長 (SHINJI SATO)
『鶴見大学歯学部』卒業後、28歳で開業。現在は医療法人BEACH PARK佐藤歯科医院の院長を務める。横浜市歯科医師会会長も歴任。(JR鶴見線鶴見小野駅 徒歩1分)
歯科医師の道へ―父の背中を見て育った日々

私は地元の『鶴見大学歯学部』を卒業しました。父が歯科医師でしたが、正直に言えば、後を継ぐつもりは全くありませんでした。父は昭和3年生まれで、高度成長期の時代。鶴見線の向こう側には造船所や日本鋼管があり、残業代を稼がないとやっていけないような世の中でした。実際、日本鋼管の人が一度歯科医院に来て、また残業に行くという時代で、医院には20人、30人とずらっと患者さんが並んで待つのが当たり前の時代だったそうです。母は歯科衛生士でした。私は文系を希望していましたが、母に「お願いだから理系にしといて」と言われて理系で進路を決めました。正直、実感もなく、やりたいわけでもありませんでした。
友達には恵まれていましたが、国家試験に落ちて1年浪人する経験もあります。跡を継いだ時には既に父は他の仕事も多く受けており、患者さんの引き継ぎもなくスタート。最初はスタッフが一人もいなかったため、私一人で電話も受付も全てやっていました。それでも、なぜか分からないけれど成功する自信があったんです。現在は大体45歳ぐらいで開業する方が多い中、20代での開業は珍しいと思います。
気づきから始まった診療理念の転換
開業から2年が経った頃、もう歯医者をやめたくなったんです。患者さんが安定しない中、人のせい、スタッフのせい、患者のせい、場所のせいにしていました。でも実際は全部原因は私自身でした。とにかく患者さんがいっぱい来ればいい、稼げればいいという行動をしていました。私たちの時代は歯学部で「虫歯は削って直しなさい、歯がなければ入れ歯を作りなさい」と習いました。口の中に20本虫歯があったら20本削る、当時はそういう治療をしていました。
そんなある日、近所の方が「先生、まだ削るの?」と言われました。その一言が、私の中で何かが音を立てて崩れる瞬間でした。「そうだ、削られて嬉しい人なんていない」当たり前のことに、その時初めて気づいたんです。モヤモヤしている時に、「削らないで定期的に患者さんが自分から来る」歯科医院が、大阪にあることを知りました。スタッフが輝いて、楽しい歯科医院作りという内容のセミナーをやられており、すぐに引き込まれまれ、「これだったら一生やれる」と思えたんです。そこでスイッチが入りました。もちろんセミナーでは「あり方」しか教えてくれず、「やり方」は教えてくれませんでした。そこから10年ぐらいかかりましたが、今では「どこで開業しても成功させられる」という確信を持つことができました。
ヘルスプロモーション―患者さんの物語を聞くこと

私が歯科医師として、そして歯科医院の院長として進むべき方向を、極めて明確なビジョンとして持てたのは、「ヘルスプロモーション」という考え方に出会った時です。これはWHOが提唱している考え方で、「人々が自らの健康をコントロールして改善することができるようにするプロセス」という定義があります。歯周病も生活習慣病のひとつです。そうなると、2人いれば2人の背景や価値観を聞かない限りは、2人に合った予防法を一緒に考えることができません。だから当院は、初診カウンセリングに30分から1時間かけます。歯が歩いて来るわけではなく、その人が来ているんです。だから、その人の今までの健康観、価値観、現在の口に対する思いを、否定せずにそのまま受け取ります。
例えば右下の歯に穴があいたとしても、その人も分かっているんです。でも優先順位として、「仕事しなきゃいけない」とか「受験が終わるまで」などの事情があって、1年2年3年かけてそうなってしまった。そういった背景を聞かずに、「歯」だけを見て「治療しますね」だと、一方通行になってしまうのです。
私たちは「聞く力」と「質問する力」を大切にしています。患者さんが「グチュグチュする」と言ったら「グチュグチュする」とそのまま書くんです。会話のキャッチボールをしているうちに、「右下の奥が磨きにくくて、いつもそこに物が詰まってグチュグチュする」という表現になったのだと理解できる。双方向のコミュニケーションを取らない限りは、その人に合った実現可能な行動目標を一緒に立てることができません。
自分の歯は自分で守る―患者さんの主体性を大切に
当院は最終的には「自分の歯は自分で責任を持って守ってくださいね」というコンセプトです。歯は私の物ではないからです。先日、8歳のお子さんが来た時、口を手で隠して見せてくれませんでした。
私は「まず何が嫌なの?」と聞きました。でも彼は理由を話しませんでした。よって私は、「じゃあ、今日は治さなくていいよ。先生は困らないもん」と。診療拒否ではなく、自分の歯、口は自分で守らない限りは、誰も守ってくれません。体は自分で守るものですから。「やるかやらないかはもう自分で決めなさい」と。8歳なんだから自分で決められるはずです。その子は少し考えた後、自分で治療をすると決断してくれました。
子供向けの講演でも、当院では「歯磨き頑張って」とは言いません。なぜなら、歯磨きは頑張る必要はないからです。トイレのあとに「なぜお尻を拭くの?」と聞くと、「気持ち悪いから」と答えます。「では、今日からご飯を食べたら一切歯を磨かないで、そのままにして、次の日もその後もご飯を食べ続けたらどうなる?」と聞きます。すると「それは汚い」と答えます。「でも、全部口から入るんだよ。」と。一番最後まで使うものだからこそ、一番大切にした方がいい。最初ピカピカで生まれてくる。それを保つだけの話なんです。「口の健康は自分の考えと行動次第で良くもなるし悪くもなる」というのを気づいてもらえれば幸いです。押し付けにならないように、気づいてもらうためにまず話を聞くのです。
一般社団法人 横浜市歯科医師会会長として―地域に合わせたサポートを
現在、一般社団法人 横浜市歯科医師会の会長を務めています。地区の会長を4期8年務めていたので、横浜市内18地区それぞれの事情をよく理解しています。各地区には伝統や特性があります。家族構成も違えば、収入差や外国の方が多い地域もあります。横浜市を一括りで考えず例えば地域保健・地域医療事業についてデータ分析をして、それぞれの地区にあったサポートをしたいというのが今後挑戦したい方向です。地区ごとに適した事業展開が必要なんです。また会長として様々な若い新入会員の先生方と話をする中で、明確なコンセプトを持たずに開業されている方が多いことに気づきました。開業すること自体が目的になってしまっているケースです。本来、歯科医院を開業する際には、「誰のために、どのような医療を提供したいのか」という明確なコンセプトが必要です。コンセプトがないと、思い描いた医院運営は難しくなります。
私は鶴見で生まれ育ち、この街で歯科医師として歩んできました。父の時代とは違う、新しい歯科医療の形を模索し続けています。歯は健康の入り口です。でも、それを守るのは私たち歯科医師ではなく、皆さん自身です。私たちはそのサポート役に過ぎません。「最近、歯医者に行ってないな」と思ったら、健診のような気持ちで気軽にいらしてください。まず、あなたの話を聞かせてください。そこから一緒に、あなたに合った健康の形を見つけていきましょう。そして、日本の恵まれた国民皆保険制度を存分に活用してください。この制度は、世界に誇れる私たちの財産なのですから。
※上記記事は2025年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

佐藤歯科医院 佐藤 信二 院長 (SHINJI SATO)
佐藤歯科医院 佐藤 信二 院長 (SHINJI SATO)
- 出身地:横浜市鶴見区
- 趣味:サーフィン、野球観戦。買い物、犬の散歩、プロスピ
- 好きな場所:海、神宮球場
- 好きな音楽:『B’z』、洋楽全般、アシッドジャズ
- 好きな映画:『アルパチーノ』、マフィアもの全般
- 好きな本:『五木 寛之』
- 好きな言葉:『知覚動考』
INFORMATION
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| 電話 | 045-508-1113 | ![]() |
| 所在地 | 下野谷町4-145-2 | |
| 最寄駅 | 鶴見小野駅 徒歩1分、国道駅 徒歩9分、弁天橋駅 徒歩10分 | |
| 駐車場 | ※近隣にコインパーキングあり | |
| 診療時間 | [平日]9:30~13:00 14:30~19:00 [土曜]9:00~13:00 14:30~18:00 | |
| 休診日 | 木曜・日曜・祝祭日 | |
| Web | https://gekijou1118.com/ | |
| 診療科目 | 歯科 矯正歯科 小児歯科 訪問歯科診療 | |
| 特徴 | ●一般歯科(虫歯治療)●予防歯科(クリーニング・定期メンテナンス)●歯周病治●根管治療(歯の根っこの治療)●義歯(入れ歯)治療●小児歯科(お子様の治療)●矯正歯科●審美歯科(見た目を整える治療)●ホワイトニング●インプラント治療●訪問歯科診療(通院が難しい方への対応)●痛みを抑えた治療(怖くない治療)●丁寧なカウンセリングで不安を軽減●充実した治療設備で精密・安全に対応●予防中心の治療方針でお口の健康を守る●忙しい方も安心の初診24時間WEB予約システム●キッズスペース完備でお子様連れも安心●テラススペースありで快適な院内環境●JR鶴見線「鶴見小野駅」徒歩1分の通いやすさ | |

