島田 智子 店主(瀾書店(ナミショテン))のインタビュー

瀾書店(ナミショテン) 島田 智子 店主

瀾書店(ナミショテン) 島田 智子 店主 (TOMOKO SHIMADA)

高校卒業後、地元企業に就職し2年ほど従事。 その後、服飾の専門学校でパタンナーの技術を学びながら並行して服飾メーカーで働き始め、そのまま正社員となり10年ほど従事する。 退職後はレコード店や航空関連で経験を積み、2024年7月に「瀾書店」を開業。(京浜急行富岡駅 徒歩5分)

書店を開くまでの道のり

高校卒業後、地元企業に就職しましたが、2年ほど働いた後に、より自分に合った道を求めて服飾の専門学校へ進学しました。洋服の型紙作りを学び、服飾メーカーでアルバイトを経て正社員となり、10年ほど勤めました。体調を崩したことを機に退職しましたが、その経験は私にとって貴重なものでした。その後、音楽が好きだったことから中古レコード店で働いたり、航空関連会社に勤めたりと、さまざまな仕事を経験しました。そうした日々の中でも、本にふれる時間は私にとっての癒しであり、本屋に足を運ぶことは欠かしませんでした。そして、あるとき「やはり本に関わる仕事がしたい」と強く思うようになりました。
かつて金沢区には多くの本屋がありましたが、時代の流れとともに減少し、気軽に立ち寄れる書店が一店舗、また一店舗となくなっていました。本屋が減少する現状を目の当たりにし、「それなら自分がやろう」と決意し、2024年7月に「瀾書店」を開業いたしました。

瀾書店の特色

瀾書店は、私自身の読書傾向が反映された書棚が特徴です。特に韓国文学やアジア文学が多めですが、それにとどまらず、国内外の文学、エッセイ、詩集、人文書まで、私が「いい」と思った本を並べています。本を売ることは単なる商売ではなく、「本を薦める仕事」でもあると考えています。驚くことに、こうした本を求めて遠方からご来店されるお客様もいらっしゃいます。「この本が欲しかった」「この町に本屋を作ってくれてありがとう」と言っていただける瞬間ほど、書店を営む喜びを感じることはありません。
また、瀾書店がある富岡には、画家、工芸職人、音楽家などをライフワークにしている多くのクリエイターも暮らしています。彼らとの出会いが書店に新たな風を吹き込み、選書にも影響を与えています。ご来店されるお客様にとって、新たな気づきや発見につながる書店でありたいと願っています。

店舗の雰囲気と地域とのつながり

現在の店舗は、かつて八百屋やブティックだった場所を改装して活用しています。古い棚や什器の一部をそのまま残し、店内にはどこか懐かしさが漂っています。書店は本を売るだけでなく、お客様がほっとできる場所の一つにしてもらいたい考え、小さな読書スペースも設けました。富岡の町は今も変化を続けていますが、温かな人のつながりは健在です。瀾書店を始めてから、地域に根ざした活動をするお客様と知り合う機会が増えました。また、この町は両親が出会い、母方の祖母の家も近隣にあった、私にとって縁のある場所です。書店を通じて、新たな交流や出会いが生まれる場を作っていきたいと考えています。

書店としての挑戦

今の時代、小さな書店が生き残るためには、ただ本を並べるだけでなく、独自の工夫が求められます。私は定期的にイベントやワークショップを企画し、本を軸に人と人がつながる場づくりに取り組んでいます。イベントごとに関連する本を揃え、お客様に楽しんでいただけるよう工夫を凝らしています。また、お客様の中に地域のコミュニティラジオ「金沢シーサイドFM」のパーソナリティの方がご来店され、担当番組でご紹介いただきました。「本屋がある町っていいね」と思ってもらえるように、地域の文化拠点としての役割も果たしていきたいと考えています。

金沢区のみなさんに楽しんでもらうことを第一に

書店を営むうえで、私は特に「女性や子供が安心して本を選べる場所でありたい」と思っています。例えば、外装をすりガラスにして店外からの視線を気にせず選べるようにしたり、お子さん目線の絵本棚を設置したりすることで、親子ともに快適に過ごせる空間づくりを心がけています。横浜市内では、女性店主が営む独立系書店はまだ少なく、気兼ねなく立ち寄れる本屋として、多くの方に親しまれる店を目指しています。また、今後は、読書スペースをワークスペースとして活用して、展示やトークイベントを開催することで、書店を文化交流の場へと発展させていきたいです。
本は単なる「商品」ではなく、人と人をつなぐものだと思います。だからこそ、ここに来ることで新しい出会いが生まれる空間にしたいと考えています。本は、人生のさまざまな場面で寄り添い、ときには新たな道を示してくれる存在です。瀾書店が、そんな一冊との出会いの場となるよう、これからも心を込めて店を営んでいきます。本屋は単なる「店」ではなく、文化の交差点でもあります。ふらりと立ち寄ったお客様が、偶然手にした本に心を動かされる。そんな瞬間を大切にしながら、瀾書店を続けていきたいと思います。金沢区で一番の本屋を目指し、これからも邁進いたします。店内には書籍のほか、お洒落な雑貨もご用意しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

※上記記事は2025年1月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

瀾書店(ナミショテン) 島田 智子 店主 (TOMOKO SHIMADA)

瀾書店(ナミショテン) 島田 智子 店主 (TOMOKO SHIMADA)

  • 出身地:横浜市金沢区
  • 趣味:読書・書店巡り
  • 好きな場所:お店
  • 好きな音楽:小沢健二 大江千里
  • 好きな映画:「ゴッドファーザー」「アウトレイジ」
  • 好きな本:韓国文学・台湾文学・アジア文学
  • 好きな言葉:「あわてないあわてない。一休み一休み。」一休さん

INFORMATION

瀾書店(ナミショテン)

電話 045-350-2260
所在地富岡西7-5
最寄駅京急富岡駅 徒歩3分、能見台駅 徒歩10分、並木中央駅 約1.7km
営業時間13:00~20:00
定休日水曜日
ジャンル 雑貨 本・書店